家を長持ちさせたい方に知っておいて欲しいこと

大切な住まいを長持ちさせたい方、また、安全安心に暮らし続けたい方に、知っておいて欲しいことがあります。

それは、建物を長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが欠かせませんが、メンテナンスの方法が適切でないと、逆に、建物を劣化を進めてしまうということです。

一般の方には信じられないことかもしれませんが、実はこのようなケースが後を経ちません。

建物の寿命は「構造体」次第

一般的に、地震などの自然災害を除いて、住宅の寿命を縮める大きな要因は、「雨漏り」や「結露」による土台や柱、梁といった建物の「構造体」の腐食です。

その他には、「シロアリの食害」による「構造体」の劣化もありますが、これについては防護手段もあり、未然に防ぐことが十分に可能です。

しかし、「雨漏り」や「結露」は非常に厄介です。

屋根や外壁の劣化によって、雨水が建物内部に頻繁に侵入するようになると、建物の土台や柱が腐食してしまい、住宅の「耐久性」や「耐震性」が低くなり、家にとって深刻な事態が起きてしまいます。

雨漏りしたことがすぐに分かれば、早期に対処もでき、「構造体」の腐食も未然に防ぐことができるのですが、実際には室内に現れない雨漏りが多いため、気づくことは難しく、知らない間に「土台」や「柱」が腐食していた、というケースがほとんどです。

したがって、家を長持ちさせるには、雨水が建物内部へ侵入しないよう、屋根や外壁を常に良い状態に保つ必要がありますので、定期的に「屋根・外壁の塗装」や「屋根の葺き替え」、「外壁の張り替え」といった外装リフォームが行われています。

ところが、本来、住まいを長持ちさせるために行われる外装リフォームが、建築の総合的な知識を持っていない業者が工事を行うと、却って建物の劣化を進めてしまうことがあるのです。

それは、建物の構造や状態に合ったメンテナンスが行われていないからです。

建物の構造や状態に合ったメンテナンスを

外壁のメンテナンスを例に、説明してみたいと思います。

まずは、「構造」についてです。

下の写真は、外壁の構造サンプルになりますが、外壁の構造は、

  • 直張り工法
  • 通気構法

という、2つの工法(構法)があり(※実際には、「空気層工法」と呼ばれる「通気構法」の施工不良によって起きる工法もあります…。)、簡単に説明すると、

  • 壁内に通気層がない:直張り工法
  • 壁内に通気層がある:通気構法

という違いがあります。

例えば、「直張り工法」の外壁に塗装を行う場合。

「直張り工法」の外壁は、壁内に通気層がないため、通気性の低い塗料を使ってしまうと、室内から壁内に侵入した湿気の逃げ場がなくなり、湿気が壁内にこもってしまいます。

そうなると、壁内で結露が発生しやすくなり、壁内が乾燥しない状態が続いてしまうと「土台」や「柱」が腐食してしまいますので、本来、外壁の塗装を行う場合は、外壁の構造を調べた上で、塗料の耐久性だけでなく通気性も考慮し、塗料を選ばなくてはなりません。

ところが、建物の構造に精通していない業者が塗装を行うと、塗料の通気性について考えることはないため、耐久性が高く、通気性の低い塗料を選ぶ傾向があります。

そのため、外壁の塗装を行って数年から10年くらい経つと、外壁に不具合が起き始め、調べて見ると壁内に結露が発生していて、「土台」や「柱」まで劣化していた、という悲しい出来事が後を絶ちません。

なお、「通気構法」の外壁であれば、基本的には塗料の通気性については、それほど気にする必要はありませんが、「空気層構法」になっているようであれば、通気性の悪い塗料を使用すると壁内に結露が起きやすくなりますので、注意が必要です。

次に「状態」についてです。

下の写真ですが、実際に工事を行ったものです。

左がモルタルの外壁、右が窯業サイディングの外壁になります。

写真左のモルタルの外壁は、築18年経過していましたが、外壁自体に大きな劣化はなく、塗装を行うことにしました。

このときに気を付けたことは、柔軟性のある塗料を選択するということでした。

というのも、モルタルは、性質上、ひび割れが起きやすいため、硬質系の硬い塗料を使うと、塗膜も外壁と同じようにすぐ割れてしまい、そこから雨水が建物内部に侵入してしまう恐れがあるからです。

また、写真右の窯業サイディングの外壁は、通常、塗装を行う場合、長持ちする硬質系の塗料が使われることが現在では多いです。

しかし、このケースの場合、まず外壁の構造が「直張り工法」であったこと、そして、外壁の劣化が激しかったことから、通気性の高い塗料を使用しても建物の保護につながらないと判断し、塗装は行わず、張り替えを行うことになりました。

建築の総合的な知識がある業者かどうか

簡単な事例で説明しましたが、大切な住まいの寿命を伸ばすためにも、リフォーム工事で後悔しないためにも、建物の構造や状態に合ったメンテナンスを行うことの重要性を知っておいて欲しいと思います。

いま業界の流れとして、リフォーム業者の専門店化が進み、「塗装専門店」や「屋根専門店」が次々と出店し、自社で直接仕事を請負い、工事を行うようになってきています。

専門業者ということで、工事の知識が豊富で相談しやすく、「塗装」や「屋根」のリフォームを考えられている方にとっては安心感があるかと思います。

ところが、いま、こういった専門店が行った工事で、様々な不具合が起きています。

それは、業者の施工技術の問題ではなく、建築知識の問題です。

(以下、編集中)